短歌人2017年6月号
今月の月詠です。
花からはこんな感じに見えるのか自撮り棒なる宴会の景
塾終えし子とプール終えし妻との夜桜をみるわずかな寄り道
あてどなく仕事のわれを鎮めんとバリスタの手の動き見ており
前職の最寄りの駅に立ちおればあの日のわれの胃液は苦く
歩一枚行方不明になりたればオセロの駒を身代わりに置く
2017年4月号掲載の歌を作品月評に選んでいただきました。
友の誘いは断れないのが悩みだと それは遺伝だ申し訳なし
上の句は子供がお父さんに打ち明けた悩み、たぶん中高生くらいの思春期の子の。それを即座に「遺伝」だと応じる作者。「申し訳なし」にユーモアでくるんだ作者の優しさがある。(今井千草)
今井さんありがとうございました。
先月から4回連載でBook Reviewを担当しています。今月は『黄色いボート』です。
こちらも合わせてよろしくお願いいたします。