短歌研究1月号「うたう☆クラブ」に掲載されました
こんにちは、短歌人の太田青磁です。
NHK短歌1月号に続き、短歌研究1月号にも作品が掲載されました。
「うたう☆クラブ」という応募作からコーチが選び、双方向のやり取りで作品を磨いていくコーナーです。斉藤斎藤さんに歌を読んでもらえるチャンスとばかりに歌を投稿しました。
初稿です。
逆さまに吊るされているワイングラスは行列並ぶ肩のように見え
動詞がちょっと多い感じがします。たとえられるものとたとえの両方に動詞が入っているので、どちらかを削りたいところ。
改作1
行列の肩にも見える 逆さまに吊るされているワイングラスは
二句切れ+倒置は、わりとハードルを上げる構文です。もっと意外なもの見えたことにしていただけますでしょうか。原作の発想を活かすのであれば、普通の語順で整理してみていただけますでしょうか。
改作2
逆さまに吊るされているワイングラスは出番今かと待つ行列か(掲載略)
改作3
通勤の電車待つ肩 逆さまに吊されているワイングラスは★
いいですね!駅のホーム、という具体的な場面を設定したおかげで、一字空けに飛躍が生まれました。行列の律義さと、日常にひそむ不穏さもにじんで、とてもいい歌になったのではないでしょうか。
掲載には至りませんでしたが、もう一首講評をいただいた歌も載せておきます。
桃色と葡萄色とがまぶしくてフルーツゼリーを手土産に買う
フルーツゼリーを「まぶしくて」というのは、地味に巧いと思います。他の歌は、それぞれに趣向を凝らされていたのですが、このぐらいさらっと詠われたほうが、かえって印象に残るような気もするんですね。
ここまで丁寧に読んでもらって、アドバイスをもとに推敲を繰り返すプロセスはとても貴重な体験となりました。山梨の旅行詠は、短歌人11月号にも5首掲載されたので連作としてまとめたいところです。
斉藤斎藤さん、どうもありがとうございました。