太田青磁の日記

There's no 'if' in life… こんにちは、短歌人の太田青磁です。

夜な夜な短歌集2017年秋号に参加しました。

こんにちは、短歌人の太田青磁です。

わたしが短歌をはじめるきっかけとなった、読書メーターの夜な夜な短歌のメンバーが季刊誌を発行しました。今回もこの季刊誌に参加しています。

夜な夜な短歌集第12巻2017年秋号の題は「燃」です。

「炎上案件」

プロジェクトとう大波にさらわれてもがけどももがけども景色変わらず

慣性の力は強し 眠れなきわれをも満員電車に押しこむ

カルガモは今日も列なし歩みおり 会社なんかは燃えていいのだ

こちらのリンクの「この本の詳細はこちら」から作品を読むことができます。

bookmeter.com

この歌集には、書肆侃侃房「新鋭短歌シリーズ」4期にて歌集を上梓されるちゃありぃこと小坂井大輔さんとティさんこと戸田響子さんも参加しています。

あわせてお楽しみいただけると嬉しいです。

なお、PDFはこちらからもお読みいただけます。

1975年生まれ短歌アンソロジー「真砂集」(まなごしゅう)を発行します。

こんにちは、短歌人の太田青磁です。

このたび1975年生まれの歌人の皆さまに協力をいただき、「真砂集」(まなごしゅう)というアンソロジーを発行することになりました。

参加者22名の新作および自選の短歌に加え、評論、エッセイ、アンケート、書評を含む68ページの冊子となります。

11月23日(祝)に開催される文学フリマ東京にて700円で頒布するのですが、通販をしてほしいとの声が多数ありましたので、先行予約を受付いたします。

「真砂集」 取置・通販のご案内

どうぞよろしくお願いいたします。

mailform.mface.jp

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短歌人2017年10月号会員2欄(1)

こんにちは、短歌人の太田青磁です。

歌人2017年10月号会員2欄から

富士日記』を読んで夜明けに家を出る車のトランク静かに閉めて
柳橋真紀子

ドイツ館の屋根にドイツのまぼろしや俘虜が第九を歌いしところ
/福永文子

不機嫌な朝にはねらるるパスワード次はゆっくり八桁たたく
/円弘子

アンコールはチャイコフスキーのセレナーデ ティンパニ奏者鼻掻きており
/植松豊

ドヴュッシーとラヴェルの違ひ?音色の固さだよねえ ピアスが揺れる
/杉本玲子

終曲はバーンスタイン・メモリアル若者称えて総立ちとなる
/矢田敏子

木炭を消しつつかじる食パンに口の周りを黒くせし午後
/蒼あざみ

人間の眼をして嘆くゲルニカの牛の心を癒してやれぬ
/桃林聖一

左右の手がシマからシマへ火を運ぶ 原爆忌にもひまわりは燃え
/葉山健介

海水に身体を溶かしいつの日かあなたを濡らす雨になりたい
/鈴掛真

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短歌人10月東京歌会に参加しました

こんにちは、短歌人の太田青磁です。

10月14日に池袋で開催された短歌人東京歌会に参加しました。

見学の方がたくさんいらしてくださって、活発な会となりました。季節の歌に加えて、社会詠が比較的多めにあったように感じました。

人数の多い歌会で、集中し続けるのはむずかしいのですが、評を聞くことで得られるものは多いなあという感覚を持ち続けていたいと思います。

この日は予定があり、残念ながら研究会には出られませんでした。月詠を出すことと歌会に出ることを続けていきたいです。

ご一緒くださった皆さま、どうもありがとうございました。

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染野太朗×花山周子トークショー(書肆侃侃房フェア記念)に参加しました(2)

こんにちは、短歌人の太田青磁です。

10月1日の夕方に双子のライオン堂で開催された、染野太朗さんと花山周子さんのトークショーに参加しました。

(前回の記事はこちらから)

染野太朗×花山周子トークショー(書肆侃侃房フェア記念)に参加しました(1) - 太田青磁の日記

続いて、染野太朗さんの選です。

来ぬ人をまつほの浦の夕凪に焼くや藻塩の身も焦がれつつ
藤原定家新勅撰和歌集

こぬひと|を---
まつほの|うらの
ゆうなぎ|に---
 やくや|もしおの
みもこが|れつつ

掛詞、歌枕、縁語、序詞、ふたたび掛詞とレトリックをふんだんに盛りこんだ定家自選のお気に入りの一首。隙のない韻律。

その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな
与謝野晶子『みだれ髪』

そのこはたち|----
   くしに|ながるる
  くろかみ|の---
  おごりの|はるに
   なりに|けるかな

その子とは自分のことらしい。初句六音は七音よりインパクトがある、という花山さんの発言はとても頷けるものでした。七音あると、4+3なり3+4なりで間が取れるのですが、六音は一気に畳みかけるような印象です。

形容詞過去教へむとルーシーに「さびしかつた」と二度言はせたり
/大口玲子『海量』

けいよう|し---
かこおし|えんと
るうしい|に---
 さびし|かったと
にどいわ|せたり

この日のハイライトと言っていいくらい白熱した一首。作者情報をどこまで読みの考慮に入れるべきか迷う。多くの形容詞から「さびしい」という言葉を選んだところがいい。

思い出のひとつのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ
俵万智『サラダ記念日』

おもいで|の---
ひとつの|ようで
そのまま|に---
しておく|むぎわら
ぼうしの|へこみ

30年経っても高校生に愛唱される短歌とのことです。四句の字余りと句またがりが読者の心にフックを掛けるのでしょうか。

海に来れば海の向こうに恋人がいるようにみな海を見ている
/五島諭『緑の祠』

うみにくれ|ば---
  うみの|むこうに
 こいびと|が---
 いるよう|にみな
  うみを|みている

そして、今の高校生に訴求する歌。順接確定条件の「ば」が規定する世界。海が3回あるが「み」は5回繰り返される。

コンクリート全部剥がして土にする土を耕すそして種を蒔く
/花山周子「現代短歌」2017年8月号 テロ等準備罪を詠む

こんくりいと|----
   ぜんぶ|はがして
   つちに|する--
   つちを|たがやす
   そして|たねをまく

特集「テロ等準備罪を詠む」より。初句は畳みかけるように、結句はゆったりとおさめる。

 

ひとりで読んでいたらなかなか気がつかないことにも、すっと手を差し伸べてくれて歌のよいところを伝えてくれるような時間でした。

染野太朗さん、花山周子さん、素敵な時間をありがとうございました。

文学ムック たべるのがおそい vol.4

文学ムック たべるのがおそい vol.4

 
歌集 人魚 (まひる野叢書)

歌集 人魚 (まひる野叢書)

 
歌集 あの日の海 (まひる野叢書)

歌集 あの日の海 (まひる野叢書)

 

 

染野太朗×花山周子トークショー(書肆侃侃房フェア記念)に参加しました(1)

こんにちは、短歌人の太田青磁です。

10月1日の夕方に双子のライオン堂で開催された、染野太朗さんと花山周子さんのトークショーに参加しました。

15名程度のわりとアットホームな空間に、染野さんと花山さんがそれぞれの10首選を持ち寄り、お互いに語り合うというとても楽しいイベントでした。

10首を全部やるよりは、絞ってやりましょうということで和歌・近代短歌・現代短歌を網羅しつつ5、6首を選んで自由に読みを語っていただきました。

染野さんと花山さんの対談はとても面白くて、いろいろと分かりやすく説明してくださったのですが、でもやっぱりわからないこともたくさんありました。わかった気になって帰ってくるよりは、レジュメに載っていた歌が収録されている歌集や連作を読んでみて、感じることを大事にしていこうかと思います。

というわけで、取り上げられた歌をリズムを中心に読み直してみました。

まずは、花山周子さんの選から

君が代は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで

/詠み人知らず『古今和歌集』(※わが君は)

まず、国歌を縦書きで見たのがはじめてかもしれないです。

私が君が代を切って読むとするとこんな感じになります。

 きみがよ|は---
  ちよに|やちよに
さざれいし|の---
 いわおと|なりて
  こけの|むすまで

さざれいしは5連符のような感じで早口になります。

この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば
藤原道長『小右記』 

 このよを|ば---
わがよとぞ|おもふ
 もちづき|の---
 かけたる|ことも
  なしと|おもへば

このくらい突き抜けるとすがすがしい。いい気分になりたいときに思い返そうと思います。二句の強調。

さようならいつかおしっこした花壇さようなら息継ぎをしないクロール
/山﨑聡子『手のひらの花火』 

 さような|ら---
  いつか|おしっこ
 したかだ|ん---
さようなら|いきつぎを
  しない|クロール

「さようなら」のリフレインが四句の字余りを感じさせず急ぐことなく読ませる。

さかみちを全速力でかけおりてうちについたら幕府をひらく
/望月勇治郎『あそこ』 

さかみち|を---
ぜんそく|りょくで
かけおり|て---
 うちに|ついたら
ばくふを|ひらく

濁音のある強い言葉だけが漢字で表記されていて、清音のことばはすべて開かれている。戦場は坂の上、政治は坂の下か。

きみの頬テレビみたいね薄明の20世紀の思い出話
/平岡直子「たべるのがおそい」vol.1 

きみのほ|ほ---
 テレビ|みたいね
はくめい|の---
にじゅっ|せいきの
おもいで|ばなし

きみ、頬、薄明、20世紀、思い出話という名詞が並ぶ。薄明のは下の句に掛かるのか、テレビに掛かるのか。

背と腹にカイロを貼りて校門を目指すことあり とても寒くて
/染野太朗『人魚』 

せとはら|に---
かいろを|はりて
こうもん|を---
 めざす|ことあり

 とても|さむくて

主体の動作を外側から描写しているが、結句で突然内面の感覚が出てくる。一字空けに十分時間を取って読みたい。

(続きます) 

文学ムック たべるのがおそい vol.3

文学ムック たべるのがおそい vol.3

 

 

 

風とマルス (塔21世紀叢書)

風とマルス (塔21世紀叢書)

 

 

 

屋上の人屋上の鳥―花山周子第一歌集 (塔21世紀叢書)

屋上の人屋上の鳥―花山周子第一歌集 (塔21世紀叢書)

 

作品月評8月号に掲載されました(短歌人2017年10月号)

こんにちは、短歌人の太田青磁です。

8月号に掲載された短歌の評をいただきました。

歌人2017年10月号 作品月評8月号会員2欄 斉藤斎藤

納会は納涼船なり桟橋に職責順に社員居ならべり(太田青磁

 大きくはない船に積み込まれ、勤務時間よりも窮屈そうな納会のはじまりですね。内容はもちろん、「納~納~」「~に~に」という一首の律儀な組み立てが、気づまりな空気を強調しています。座席表を俯瞰するような「居ならべり」もグッド。

 斉藤斎藤さんに選歌をお願いしてから、はじめて評をいただきました。とてもうれしいです。

今回はSelectionにも掲載されました。

歌人2017年10月号 Selection 8月号会員2欄 林悠子選

この階段を降りてきたのか違うのか中二階のある居酒屋に迷う(太田青磁) 

 この歌は、歌会の打ち上げでした。

感想などお聞かせいただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

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夏韻集首都歌会に参加しました

こんにちは、短歌人の太田青磁です。

10月1日は朝から未来夏韻集首都歌会に参加しました。

大辻さんの歌会では、各自が人数分の詠草を用意してのぞむ無選歌の歌会なのですが、作者がわかった状態で批評を聞くのは貴重な機会だと感じており、できるだけ参加したいと思っている歌会です。

なごやかな雰囲気のなか、オーソドックスであるが故に、意外と流してしまうところを丁寧に読んでいただきました。意味からではなく言葉から詩を立ち上げること、感情の動きにふさわしい重さの修辞を制御すること、作者の視点はどこからどこを見ているのか、時間の流れは自然か、などです。

今回は、視点に関する評をいただいたのですが、見えないはずのものを書かないというのはやはりむずかしいですね。

見学に来られた方ともお会いする機会に恵まれましたので、また参加できればと思っております。

いい歌を作り、いい批評が述べられるようになりたいものです。大辻さん、夏韻集の皆さま、一緒くださった皆さま、どうもありがとうございました。

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短歌人2017年10月号

こんにちは、短歌人の太田青磁です。

今月の月詠です。

歌人2017年10月号 会員2(太田青磁

整理券をお取りくださいというバスに揺られて向かう石切場まで

塩を舐め四千回も鶴嘴(つるはし)を振るいて切りし頃もあったと

天然の冷蔵庫なり石室(いわむろ)にドンペリも備蓄米も格納されて

極彩色のライトはるけく十字架と石棺並ぶ部屋を照らして

特撮のワイヤーロープをくぐらせし金具が石に突き刺さりおり

8月の短歌人夏期全国集会は宇都宮で開催でした。すこし前乗りして近郊の大谷記念館を砺波さんと葉山さんと見学しました。

歌人10月号を読むと、夏季集会の熱気が昨日のことのように感じられます。相田さんやまともさんの歌はすっかりあるべきところにある感じで頼もしいです。

感想などお聞かせいただけるとうれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。

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短歌人2017年9月号

こんにちは、短歌人の太田青磁です。

今月の月詠です。

歌人2017年9月号 会員2(太田青磁

北鎌倉のホームは狭し降りたてば心太(ところてん)のごとく押し出されたり

明月院への参拝の列長ければ早々にスルーする軟弱なわたし

道の辺の紫陽花は日に褪せておりスーダンの地の前線思う

自販機に取り付けられた栓抜きで栓抜くときの壜の手ごたえ

建長寺武門の寺の面立ちに気持ち背伸びす風吹きぬけて

6月に参加した花咲歌会の鎌倉吟行を一連にしました。特集以外で連作を月詠に出すのははじめてでした。ご一緒してくださった皆さま、どうもありがとうございました。

書評が終わりひと段落ではあるのですが、読んで書くことも習慣にできればと思っています。

感想などお聞かせいただけるとうれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。

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