太田青磁の日記

There's no 'if' in life… こんにちは、短歌人の太田青磁です。

さまよえる歌人の会で『人魚』を発表しました。

こんばんは、短歌人の太田青磁です。

10月21日にさまよえる歌人の会で染野太朗さんの『人魚』のレポーターをしました。

7月の短歌人の研究会でも『あの日の海』と『人魚』の発表をしたので、今回は聞き役に回ろうと思っていたのですが、せっかくなのでもう一度発表の機会をいただくことにしました。

さまよえる歌人の会は、二人が事前にレジュメを作って発表する形式で進められるのですが、今回はおなじ短歌人の相田さんが発表されていて、短歌人の参加率も高かったです。

相田さんは、目次の構成から丁寧にまとめてくださっていてとてもわかりやすく興味深い論点を挙げてくださいました。わたしは「家族」「相聞」「職場」「感情」「日常」とシチュエーション別に比較的多めに歌を紹介しました。

タイトルの『人魚』をどう読み解くのかということと、歌集の構成における作者と主体の位置づけ(私性の問題)というところが大きな話題になりましたが、特徴的な文体や、繰り返し使われるモチーフを会場の皆さんの発言にも触発されながら味わってみると、やはり一人で読んでた時には気が付かなかった側面が浮かび上がるような、貴重な時間を過ごすことができました。

最後に気になった歌を一首ということで、レジュメを作っていた時には気が付かなかったけれど、改めてぐっと来た一首を挙げました。

川で子ども海で子どもと遊ぶような不安を今日もいじめぬきたり
/染野太朗『人魚』

レポーターをするたびに、随所に読めてないなあと思うことが多々ありつつも、よい歌集をじっくり味わうという楽しく過ごせました。相田さん、参加者の皆さま、どうもありがとうございました。 

こちらは短歌人2017年5月号に寄せた『人魚』の書評です。 あわせてお読みいただけると幸いです。

seijiota.hatenablog.com

歌集 人魚 (まひる野叢書)

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