太田青磁の日記

There's no 'if' in life… こんにちは、短歌人の太田青磁です。

短歌人夏季全国集会(2017)に参加しました。(2)

こんにちは、短歌人の太田青磁です。

引き続き、夏季集会の話題をいくつか。

「いい歌バトル@宇都宮」では、台本のない進行はやはり盛り上がるものだなあと思いました。運営については、外部の方にいらしていただくのであれば、受付は準備しましょうとか、リハーサルはしておきましょう、とかあるのですが、短歌人のイベントに来てくださる方はきっとその辺のゆるさを受け入れてくれる方々なので、ほどよく場が馴染んでいく感じも楽しめました。

内山さんは別格として、角山さん、黒崎さん、大平さんの選歌・選評が実直な感じがして、同じ結社のすこし前を走っている方々の歌への向き合い方がよくわかる会だったのをうれしく思いました。全体的には「いい歌」について語る会なので、ビンテージチームの「この歌人がこんな歌をこんな媒体で」というのはアンフェアかなと思ったのですが、フレッシュチームがそこを突き破るにはちょっと勢い負けしてしまったのかもしれません。

宇都宮さんの重みのあるジャブは速すぎて、捉えきれなかったところは自分の中の土壌が足りない感じもありました。服部さんの素敵な衣装と全能感のある語り口を聞けたのはよかったです。十二者十二様の短歌観が重なり合って、短歌人らしいイベントになりました。

続いて、パーティーと授賞式です。髙瀬賞は浪江まき子さんの「光のあわい」、評論・エッセイ賞は桑原憂太郎さんの「高瀬一誌のエロス」と泉慶章さんの「「歌よみに与ふる書」が問いかけるもの」となりました。あらためましておめでとうございます。今年は両方に応募したのですが、どちらも力及ばずでした。また応募しようと思います。髙瀬賞に応募した短歌は編集委員の今井さんと紺野さんから激励を受けました。この方向で自分のスタイルを作りあげていこうと思いました。

パーティーでは、神戸の西橋さんが、兵庫県歌人クラブの批評会にわたしの書いた南輝子さんの書評を紹介してくださったとのことを伺って、何事も経験だなと実感しました。定期的に書評や歌評を書いていこうと思いました。

買い出しに出かけたあとの深夜サロンでは、小池さんを囲んでいい歌バトルの講評や短歌実作の方法論を熱く語っていただき、それだけで十分すぎるほどぜいたくな時間となりました。各地の方々ともお話ができるとても貴重な時間でした。

二日目は120首を超える数の歌会でした。20首ずつ6回の歌会を繰り返すというめちゃくちゃヘビーな歌会でしたが、東京歌会では普段はしない選歌についての感覚や先行批評や総評をしっかり聞くという体験はやはり結社ならではのもので、新しく入会してくれた方も満足度も高かったらしく、歌会の素晴らしさをあらためて感じました。大きな会でしたが、けっこう発言もできました。服部さんは歌会にもご参加くださって、短歌人にはない読みをたくさんして盛り上げてくれました。

そして、さよならパーティーです。蒔田さくら子さんからも今がいちばんいい時だと伺ってますます楽しみな短歌人です。大平さんと「いい歌バトル」の選歌の話などして盛り上がりました。

新幹線で帰るつもりでいたのですが、多数決に押されるように宇都宮始発の普通電車で、せめてもの贅沢でグリーン車に乗って帰りました。帰りの車内でも歌会の話や連作の話、ネット歌会のあり方などざっくばらんに話しながら東京にたどり着きました。

運営してくださった皆さま、ご参加された皆さま、楽しい時間をありがとうございました。