短歌人2017年7月号
今月の月詠です。
パイプ椅子をたたむ早さを競いおり管弦楽団員なるわれは
ぬばたまの月なき夜の川面見ゆラフマニノフの二番のピアノ
藤棚が風になびくに目あげればスカイツリーは間近に迫る
333(バーバーバー)の空き瓶狭し午後九時の歌会終わりのベトナム飯店
二十三区のうち十四もの自治体が分割されて1.999倍
2017年5月号掲載歌は作品月評にもSelectionにも載らず力不足を痛感しました。
髙瀬賞応募作も、予選はかろうじて通過したものの本選の6編には一歩及ばず。一首評をいただきました。
ほどけぬように祈りをこめて蝶々の羽の部分をもう一度むすぶ
東京マラソンがテーマである。抽選に当たり(これだけでもすごい!)、参加し、完走するまでを時系列で歌い継ぐ。衒いも韜晦もないが全篇に走ることの喜びが溢れていてすがすがしい一連である。(今井千草)
今井さんありがとうございました。
5月から4回連載でBook Reviewを担当しています。今月は『古歌そぞろ歩き』です。
こちらも合わせてよろしくお願いいたします。
デザインを一新したスタイリッシュな短歌人もよろしくお願いいたします。