「目指せ初段!-将棋PDCAサイクルを回そう-」
遠山先生の講座「目指せ初段!-将棋PDCAサイクルを回そう-」に子どもを誘って参加しました。
将棋の局面を序盤、中盤、終盤に分けて、それぞれのプラン(何を勉強するのか?)ドゥ(どうやって勉強するのか?)チェック(実戦でどう試すか?)アクション(課題はできているか振り返れるか?)の組み合わせをどう回していくのかを伺いました。
序盤は玉を囲って、戦型を整えること。ここは得意な戦法を知識として身に付けることが大事。本を読んだり、教わったりして基本を覚える。基本を身に付けるにはできるだけきちんと理解できるレベルの本を選ぶことが大切で、背伸びをすると指し手の意味が分からずに、手順が変わったときに対応できなくなるのが要注意です。
中盤は駒得を目指し、駒の働きを良くすること。いわゆる手筋を身に付けて、経験を積むことが大事。次の一手や棋譜並べをやって慣れていくこと。これもあまり難しい最新形の実戦を並べるよりも、自分がうまく指して勝った将棋を並べてみるのがおすすめ。
終盤は寄せと受け。詰むカタチをイメージして、脳内の局面を動かせるようになることが大事。詰将棋を比較的すらすらと解ける易しいレベルの問題を毎日解くことと、二手くらい上のしっかり考えないと解けないレベルのものを時間を測って解くこと。
講座の後半では、事前に送っていた棋譜の内容からパターン別の勉強法を教わりました。親子ともども、序盤はまあまあ、中盤は苦手で、終盤は読めると勝てる、というV字型のパターンでした。実戦に偏った練習が多く、どうすれば有利に局面を進められるか、勝つための攻めの糸口を掴むことわかっていないことが課題でした。
これは序盤はお互い得意戦法(私は四間飛車、子どもは棒銀)があって、駒組みはスムーズにできるけど、中盤は手なりで指してしまい、ミスが出やすかったり攻撃のチャンスを逃しがち、終盤は詰将棋や囲い崩しのカタチに持ち込めれば逆転もあるという、行き当たりばったりな感じとのことがばれていました。
私は実践的な手筋を身に付けて中盤力を押し上げる、子どもは終盤力を磨いて攻め合いで負けないようにすることが、強くなるポイントのようです。
大人は弱点をカバーするのがよくて、子どもは強みを伸ばす方が楽しく上達できるとのこと、さまざまな分野の勉強法にも通じるものがあるのかもしれません。
序盤は強いけど、中終盤に掛けて下がっていく人は研究は熱心だけれど、そこに満足して相手の動きが見えていないので注意。逆に終盤力が強い人は、ひとつでも得意な戦型を身に付けて覚えること。バランス型の人は、指していて楽しいと感じるところを伸ばすとよいとのことでした。
子どもはウチの子だけで、大人に混じってなんとか話を聞いていました。ちょっとむずかしかったようですが、詰将棋をやるとよいとのアドバイスに、帰ってからさっそく三手詰ハンドブックに取り組んでいました。本人としてはもっと駒を使った大盤の解説や実戦の対局がやりたかったようです。
実戦例としては、端攻めをもう一歩踏み込めば必勝形になるケースなどが紹介されていて、面白かったのですが、さまざまな棋力の方の実戦例を見るのは、ソフトに棋譜を取り込んでスクリーンに映すなど、相当に準備が必要で人数も限られていないとむずかしいのかもしれません。
ネットを使った勉強法にも触れられていて、自戦の結果を棋譜に落として、ソフトを使った一人感想戦や、子どもとの対局を記録して見ると良いのかなと思いました。
総じて強くなるためには、課題設定をしっかりと持って、正しいトレーニングを続けることが大事で、指導対局も、自分が何を得たいのかを伝えて、駒落ちでも、定跡に縛られず得意な戦型をぶつけてみるのも良いということでした。
あっという間の2時間でしたが、教わったことをひとつずつ試しながら、親子で上達を目指します。
将棋盤に向かうまなざし鋭くも勝ったと告げる声あどけなく
(太田青磁)
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