太田青磁の日記

There's no 'if' in life… こんにちは、短歌人の太田青磁です。

短歌人2015年8月号 20代30代競詠評「巧みな疲れ」

歌人2015年8月号 20代30代競詠評「巧みな疲れ」光森裕樹評

一枚の書き置き残し君が去りモノクロームの世界にひとり
(短歌人8月号「ラムネの硝子」/太田青磁)

幸せな場面とは言えないが、「書き置き残し君が去り」の漢字とひらがなが交互に並ぶ様子と、「ありおりはべりいまそかり」にも似たリズムの良さが、奇妙に明るく、印象に残る。

総評
掲載順に心に留まった歌一首をあげた。年代から来るものか、どうにも〈疲れ〉を感じさせる歌が多い。それらが巧みに歌われているのだから、何とも応えた。その意味では、多少の空元気や破れかぶれがあってもいいのかもしれない。歌に、あるいは日々の生活に。