太田青磁の日記

There's no 'if' in life… こんにちは、短歌人の太田青磁です。

うたの日の歌会

歌が詠めないときは無理にでも題詠をすることで頭が切り替わる、という話を聞いたことがあります。とはいうものの締め切りがないとやっぱり詠めないと感じる方も多いのではないでしょうか。そんなときは歌会に参加することがモチベーションアップにつながります。

実際の歌会を開催しようとすると、日時・場所・題の有無・詠草の募集・当日の運営や司会進行、等々考えただけでもいくつもの課題があって、歌会に参加するたびに主催の方には頭が上がりません。

さて、インターネットを会場とした「うたの日の歌会」という歌会があります。出題から詠草の収集・投票による順位づけ・評の公開とすべてがプログラムされていて、参加者はインターネットにつなぐだけで毎日歌会に参加することができます。

「うたの日の歌会」は二〇一四年四月一日から始まって、毎日とぎれることなく四百日以上開催されています。出詠は出題から二十四時間以内。投票は各参加者が特選一首にハートマークをつけ、集めたハートの数を集計します。投票に参加すると投票点が加わり自動で順位がつきます。また特選以外で気に入った歌には何首でも音符マークをつけることができ、評やコメントも自由に書き込むことができます。

「うたの日の歌会」では、普段の題詠ではなかなか見ることができない題が出る日もあります。例えば、二〇一五年六月五日の題は「?」(疑問符)でした。この日の最高点を取った歌を紹介します。

  ひらめきを約束されて疑問符は電球に似た形をしている(木原ねこ)

疑問が解決されたときに光る電球のイメージと疑問符の形状の両方にフォーカスされていてとても面白い歌でした。

「うたの日の歌会」には、短歌を始めたばかりの方から様々な結社に所属されている方や主にインターネットで活動されている方と、所属や世代を問わず多くの参加者を集めています。

実際の歌会はもちろん、インターネットでも多くの方と交流し、様々な場所で短歌を日常にしていけたらいいなと思っています。

(短歌人2015年9月号 三角点掲載)